財産分与を請求したい、請求された

離婚をするにあたり争点になるものの一つとして,財産分与があげられます。

財産分与とは,夫婦の一人が他方に対し,婚姻中に形成した財産を清算・交付する手続です。

一般的に20代の方が離婚する際には,婚姻期間が比較的短いため,財産分与が問題となることは多くないですが,30代以降の方の離婚の場合は,例えば自宅の購入等,婚姻中に形成した財産も増えるため,財産分与の問題が生じることがよくあります。

以下では,財産分与を請求したい方,財産分与を請求された方を対象に,財産分与の手続や方法等について解説をしていきます。

 

【財産分与の方法】

まず,財産分与をするに当たっては,財産分与額を算定しなければいけません。財産分与の算定式は以下の通りになります。

財産分与額=
{(権利者名義の財産+義務者名義の資産)-(権利者名義の負債+義務者名義の負債)}÷2-(権利者名義の資産―権利者名義の負債)

算定式だけを見ると,一見計算が難しそうですが,簡単に言えば,財産分与は,婚姻期間中に得た夫婦それぞれ名義の財産(+)と借金(-)の合計を2で割った金額と,財産分与を求める側名義の資産(+)と負借金(-)の合計額との差額を請求できる制度になります。

なお,夫婦双方の資産及び負債の合計額を2で割っていることからわかる通り,財産分与として相手方に請求できる割合は,原則2分の1であり,これは例えば,どちらか一方が専業主婦(主夫)であっても,このような割合になります。

そして,この財産分与ですが,通常,離婚の際の養育費や親権の取り決めと併せて決めることが多いですが,離婚をした後でも請求をすることができます。

但し,財産分与には時効があり,離婚後2年以内と決まっていますので,財産分与を請求する時期については注意が必要です。

 

【財産分与を請求された側が気を付けなければならないこと】

財産分与の方法について解説をしましたが,財産分与を請求された側としてはどのような点に気を付けなければいけないのでしょうか。

それは,請求された財産分与額が法律に従った計算方法で正確に算定されているか否かを確認しなければいけないということです。

例えば,以下の場合は注意が必要です。

  • 相手方が主張するこちら側名義の不動産の評価額が不当に高額に評価されている
  • 相手方が主張する財産分与の対象財産に婚姻前の財産や別居後の財産が含まれている
  • 財産分与の対象財産に相続によって取得した財産が含まれている
  • 全額親からの贈与によって購入した不動産が財産分与の対象財産に含まれている
  • 経営している会社の株式の評価額が不当に高額に評価されている
  • 会社財産が所有する財産が財産分与の対象に含まれている

以上は例示にすぎませんが,これらの事情があるときは,財産分与額も変わってきますので,注意が必要です。
 

財産分与の計算は,単純なように見えて,複雑な論点が生じることもよくありますので,財産分与を請求された場合は,一度弁護士に相談されることをお勧めします。

 

【財産分与の種類】

財産分与の中には,

  1. 慰謝料的財産分与
  2. 清算的財産分与
  3. 扶養的財産分与

とそれぞれ種類があります。

まず,①についてですが,通常財産分与とは別に慰謝料請求を行いますので,あまり登場する場面がありません。

次に,②についてですが,これは前述した夫婦の各資産と負債をピックアップして清算する制度になりますので説明は省略いたします。

最後に,③の扶養的財産分与ですが,これは,当事者間で清算的財産分与や慰謝料の支払を認めてもなお,当事者間の公平を保つことができない場面において登場するものであり,②の清算的財産分与に補充して給付が認められる制度になります。

例えば,未成熟子がいる夫婦間の財産分与において,妻が子供の親権者となることが決まったが,妻に重い疾病があり,養育費の支給や清算的財産分与のみでは生活が苦しくなる可能性がある場合等に,扶養的財産分与が認められる可能性がでてきます。

このように,財産分与を請求する側としては,事案によっては扶養的財産分与の請求ができる場合もありますので,これらの点も含めて弁護士にご相談ください。

 

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